「幸せはいつもちょっと先にある 期待と妄想の心理学」 感想

最近図書館で、面白い書籍に出会いました。

ハーバード大学社会心理学部教授 ダニエル・ギルバート氏の

「幸せはいつもちょっと先にある 期待と妄想の心理学」という本です。

「一生大好きだと思っていた恋人が嫌いになった」

「この会社に入ったら人生バラ色だと思ったのにそうでもなかった」

「やりたいことがいっぱいあったはずなのに、いざ退職してみると暇だった」

誰しも1度はこのような経験があるのではないでしょうか。

人が未来予想をするとき、思考に癖があり(偏った思考)、そのせいで未来の正確な予想ができないのです。

タイトルに幸せとありますが、この本には幸せになるための具体的な方法は書かれておりませんが、人の脳が自分の未来を想像したり、どの未来がもっとも喜ばしいかを予測したりするしくみと精度を科学的に説明してくれている本になります。

上記のような経験をして、理由が分からずモヤモヤしている人にとってはうってつけの一冊だと思います。

また私が本書で最も印象に残った言葉としては未来の予想に今の感情が大きく影響を与えるというものです。

例えば、今現在つらい気持ちでいっぱいの時、想像の未来を楽しいと感じられない。

これは未来の出来事を思い浮かべたときに感じる不幸せが現在の気持ちからくるものだと気づかず、想像の出来事のせいで不幸になっていると思いこんでしまっているからなんです。これには、結構な衝撃を受けました。

320ページと、内容量が多い一冊ですが面白い未来予想実験例がたくさんでてきて、理解が進む内容構成となっているので、飽きずに読み進められると思います。

また、単純に脳科学に興味がある人にとっても十分楽しめる内容だと思います。

【中古】幸せはいつもちょっと先にある 期待と妄想の心理学 /早川書房/ダニエル・ギルバ-ト(単行本)
タイトルとURLをコピーしました