最近の世の中を俯瞰して見ると、完璧を求めすぎている人が多いのではないかと思ってしまいます。特に、食については、それが顕著なように思えます。
最近、100年近い歴史のある老舗焼き鳥店の閉店のニュースを見ました。名物料理は低温調理した生つくねらしいのですが、昨今の生食での食中毒被害の煽りを受けたことが原因ともネットで囁かれていますが、お店側は原因は別にあると否定されているそうです。
過去にユッケなどの生肉を外食で食べて、命を落としてしまった方がいるのも事実ですが、食に100%の安全性を求めるのはおかしいというのが私のスタンスです。
大昔の狩猟時代から現在に至るまで、いつの時代も食に100%の安全性などなかったはずです。むしろ食品管理技術の進歩で、人類史最も食で命を落とすリスクが低い時代が現代ではないでしょうか。日本に限れば、99%以上の安全性があるのに、100%の安全性でないために世の中から避難される状態といったところでしょうか。
私達にできることといえば、以下のようなことになるのではないでしょうか。
①外食(特に生食)する際は、事前にどのようなリスクがあるのかしっかりと把握しておく
※同じ生食でも、鶏肉は、牛肉、魚よりハイリスクなようです。
②体調の悪いときの外食(特に生食)は控える
③自分を含め、身近な人が外食被害を受けたとしても、むやみやたらにSNS等で拡散しない
※問題が起こっても、店側と当人間のトラブル処理に留めるべきだと思います。
SNSの拡散という理由で伝統的な生食文化がなくなってしまうのは非常にさみしいものです。食にノーリスクを求める風潮をなくして、お店側の十分な衛生管理のもとで発生してしまうリスクについては受け入れる寛容さが私達に求められているのではないでしょうか。